療育の基本的な考え方

●早期発見により、補聴器を装用し、遊びや生活のなかで、残存聴力を活用していく。

●安定した母子関係の中でコミュニケーションの意欲、能力を育てていく。

●豊かなコミュニケーションを築くために(伝え合う喜びの体験、情報がわかる体験の積み重ね)音声以外のコミュニケーション手段も使う(身振り、手話、指文字、写真、絵、カードなど)

●聴覚の障害だけに目を向けるのではなく、子どもの全体発達を援助していく。毎日の生活の中での様々な体験  (周囲の事物との関わり、人との関わり、自然とのふれあい)のなかで心や、ことばを育てる。

●体験したことを、言語化するために、コミュニケーションの手段のために絵日記、体験カードなどを活用する。

●両親が、難聴の子どもを育てていくための援助を行う。(子育ての方法、障害についての理解、コミュニケーションの方法、福祉の制度、補聴器のことなど)

●保育園や幼稚園との連携

●関係機関との連携(学校、保健所、福祉総合相談所、熊本大学耳鼻科、発達小児科など)

 

個別指導と集団指導を行っています。

個 別 指 導
年齢、発達段階、聞こえの状態、コミュニケーションの状態、家庭の状態に合わせた個別指導を行っていく。
低年齢は、母子で一緒に活動することが多いが、年齢3、4歳児から母子分離した課題も取り入れていく。(聴き取り、文字、発音、絵日記、体験き。の中からのことばの確認など)

集 団 指 導
年齢、発達段階に応じたグループを編成し(4~7人)小グループの中で聴覚活用、豊かな経験、遊びなどを通じて学習意欲、好奇心、コミュニケーションの力を育てていく。子供同士の関わりのなかでの対人関係のもち方、自分の聞こえに対する自覚を育てる。

 

熊本大学から、毎週水曜日に耳鼻科の先生に嘱託医としてきていただき、診察をしてもらいます。

自動聴性脳幹反応検査(AABR)による新生児聴力スクリーニングについて

新生児聴力スクリーニングについて鮫島先生に話題提供していただきました。12月6日放送のニュースステーションでも取り上げられました。))

乳幼児の難聴は放置されると言語の発達が遅れ、コミュニケーション障害をおこし、人格形成にまで影響が及びます。早期に発見し、補聴器などを用いて残された聴力を活用する事や(視覚的な情報手段も使いながら)手話などを使いコミュニケーションや情緒・情報のやり取りを行っていく事で、人とのやりとりや言語の獲得が可能となります。
すでに熊本県では保健所や市町村における健診での聴覚スクリーニングを実施しており、0歳における難聴児の発見も増えてきていますが、健診に漏れて発見が遅れる例もしばしば見受けられます。自動聴性脳幹反応検査(AABR)が開発され、生まれた直ぐの新生児において聴力のスクリーニングができるようになりました。この検査法は従来から行われていた脳波を用いた聴力検査法である聴性脳幹反応検査(ABR)の判定をコンピューターを用いて簡便に短時間で行うものです。通常のABRのように聴力の程度までは分かりませんが、自然睡眠で2~3分で自動的に正常か否かを判定できるため、スクリーニングとして最適で、主に産科において検査が行われています。
アメリカではすでに多くの州でこの検査を義務付けており、日本でも今年10月から厚生省のモデル事業が開始されました。(このモデル事業は平成18年度で終了しています)
熊本県の状況については下記ページに詳しく掲載しています。

このAABRの普及によりさらに早期発見が増えてくると思われますが、行政的にどこまで実施できるかという問題や、AABRやABRでは発達の遅れがあると反応がでにくい事、正確な聴力を得るには脳 波検査のみでは困難で、様々な幼児聴力検査を併用する事が必要な事、出生後除々に聴力が悪化するタイプがあることなどを考えると従来の健診体制との併用が必要と思われます。
また、生後早期に難聴が疑われた場合、最終診断、療育にまでつないでいく間の家族に対する精神的支援も重要な課題と思われます。医療、保健、福祉などの関係機関の連携も必要です。(熊本県社会福祉事業団広報誌秋号に掲載されたものを転載しています)
話題のページに最近の熊本県での取組みを掲載しています。

中耳炎に注意!!

耳鼻科の鮫島先生に、子ども達の耳の管理について注意することをききました。

中耳炎は、こどもの耳の病気で、最も多い疾患です。
その主なものは、急性中耳炎と滲出性中耳炎です。急性中耳炎は、風邪などの時、鼻と耳をつなぐ、耳管という管から細菌が中耳に入り炎症を起こします。鼓膜の奥の中耳に膿がたまるため、鼓膜がはれて耳痛があります。
鼓膜が破れると耳から膿が出て、痛みが止まります。多くの子どもは、一度は、急性中耳炎にかかっているようです。幼児の場合、耳痛を夜泣きや機嫌の悪さ、耳に手をやるといった行為で表現することが多いようです。

一方、滲出性中耳炎は、急性中耳炎が完全に治まらず、耳管の働きも悪いため、中耳にたまった分泌物が、排出されない状態です。
鼻炎や副鼻腔炎などの病気や、アデノイドや扁桃肥大がある子どもに多くみられます。この場合は、痛みもなく、よんでも振り向かない、とか、テレビの音を大きくするなどの、聞こえの悪さの症状で気付かれることが多いようです。

いずれの疾患も耳鼻咽喉科での治療が必要ですが、幼児では、風邪を引きやすいため、そのたびに再発したり、鼻やのどの疾患のために治りにくいこともあります。多くの子どもは、小学生のころには、風邪もひきにくくなり、中耳炎も起こさなくなってきますが、不十分な治療で慢性化したり、難聴を残したり(感音性に伝音性難聴が加わることも)することもあるので、適切な治療と経過観察が必要です。